鼠径ヘルニア手術記録 ①発覚編

永田です。
つい先日、9歳の次女が鼠径(そけい)ヘルニアの内視鏡手術を受けました。鼠径ヘルニアは、一般的に赤ちゃんのうちに発見されて手術するようで、9歳での発見・手術というのは珍しいようです。友人(手術室勤務の看護師)も、「赤ちゃんならよくあるけど、9歳の子は見たことがない」と驚いてました。

ただ、思うに、親も本人も気づかないだけで、実は幼児や小学生でも鼠径ヘルニアがあるというパターンは意外にあるのかもしれないです。今回の次女の件でつくづくそう思いました。子育て中の親御さんのご参考になればと思い、ブログに書くことにしました。

【鼠径ヘルニアとは】
鼠径部、つまり脚の付け根の下腹部の腹膜に穴が開いていて、そこから腸や卵巣などの臓器がはみでている(あるいははみでてもおかしくない)状態のことです。生まれつきのもので、1~5パーセントの頻度で発生するそうです。男児の場合、陰嚢水腫という形で症状が出ることがあります。陰嚢水腫は自然治癒の可能性が高いので通常は1歳まで経過観察しますが、1歳を過ぎると自然治癒の可能性が少なくなります。

【放置するとどうなるか】
鼠径ヘルニアは自然治癒の可能性は少なく、腸管の陥頓(かんとん:はまりこんで戻らなくなること)の危険性の方が問題となります。陥頓を放置すると腸管の血行が悪くなり、壊死します。さらに治療が遅れると死に至ります。女児で卵巣が脱出していると卵巣捻転の危険があります。そのため、経過観察は望ましくなく、手術が原則となります。

(以上、愛知医大でもらった説明書より部分要約)


【次女の鼠径ヘルニアが発覚した経緯】
今年の2月下旬、お風呂上りにすっぽんぽんでうろうろしていた次女。「早くパジャマ着なさい!」と注意した時に、下腹部、おまたの形が微妙に左右で違うことに気がつきました。気のせいかな?と思うくらい、本当に微妙な左右差でした。なんとなーく左の方が垂れてるような、目の錯覚のような…。ただ、ちょうど1年前の去年3月に、末っ子長男が陰嚢水腫(上述のように鼠径ヘルニアの一種です)で手術してまして。それで、ひょっとして??と疑ったわけです。

翌日、次女と一緒にお風呂に入って改めて見てみると、やっぱりなんとなく微妙に左右差がある気がします。本人に聞いてみると、「自分で見るとはっきり左の方が大きく見える」「2週間くらい前からこうなった」「走ったり、ジャンプしたりすると痛くなる」とのこと。これはやはりおかしいかもと思い、その翌日にかかりつけ小児科医を受診しました。

かかりつけ医には鼠径ヘルニアかもしれないと思って受診したことを最初に話しました。診察では、まずは視診。先生は見るなり「これのどこが鼠径ヘルニアだって?鼠径ヘルニアなら、もっとはっきりと膨らむよ。こんなんじゃ鼠径ヘルニアなんて疑わないよ」こう書くと無責任っぽい先生のようですが、そうは思ってないです。逆に言うと、次女の場合、ベテランの小児科医が診てもわからないぐらい目立たない状態だからこそ、これまでの乳幼児健診でまったく気づかれなかったのだと思います。

それで、かかりつけ医は診察台に次女を寝かせて触診。「あー、たしかにシルクサイン(※)は陽性だね。鼠径ヘルニアはあるかもしれないね。ただ、ここだとこれ以上のことはわからないから、大きいところで超音波検査してくる?大学病院に行きたければ紹介状書くけど」と言われて、行きたければ行けばいいという程度のことなら、行きたくないから行かなくていいかなと思いました(^^;「まあ、きちんと検査してもらってすっきりしてきたら? 必要なら治療を受けといで」と、先生に背中を押される形で愛知医科大学への紹介状を書いてもらいました。
《※シルクサイン:鼠径ヘルニア部分を触った時に感じられる絹ずれのような感触のこと》

愛知医大外観
愛知医大

翌週、3月最初の月曜日に学校を早退して大学病院へ。消化器外科外来で、小児消化器外科の教授の診察でした。さすが専門医、一目で「ああ、確かにちがうね」と一言。「その場で20回ジャンプしてみて」と言われて、わけもわからずジャンプする娘。「やっぱり、ジャンプした後に出てきてるね」言われてみれば、少し左右差が大きくなっています。

そして立ったまま超音波検査。妊婦健診で胎児の様子を見るのとよく似た装置で、簡単に検査できます。画像を見ながら教授が「左にはっきり穴が開いてるね。娘ちゃんの場合、体を守ろうとして、腸が出てこないように大網(たいもう)という脂肪の膜が穴に入ってます。それで、右側にも黒い影が映っていて、これはたぶん小さな穴があいている状態だと思う」と説明してくれました。

やっぱり鼠径ヘルニアだったかー。こりゃ、手術は避けられないな、と覚悟を決めます。

「今だったら来週手術できるけど、どうする?あと5分で締め切りなんですけど、入れちゃっていいですか? 内視鏡で、左右両方とも処置します」
「はい、お願いします」
というあっさりしたやりとりで手術が決まりました。
「それじゃあ、今日このまま術前検査と入院説明を受けて、来週火曜日に入院してください。水曜に手術、木曜退院になります。全身麻酔だから麻酔科の受診も必要になるけど、それは入院当日に予約しておきます。」
と言われ、入院や手術に関する書類、術前検査のための書類等々たくさん渡されて、いったん待合室へ。

そこから看護師さんの指示に従って、血液検査、胸部レントゲン検査、心電図、入退院センターでのカンファレンスと、院内をあちこち移動。(愛知医大は規模が大きい割に移動距離が少なくて楽でした)

待ち時間の合間に夫に連絡し、自分の仕事を調整し、娘の習い事先に連絡を入れ、長女や長男のスケジュールの確認をし……。

怒涛の勢いで物事が進んでいき、びっくりではありますが……去年末っ子が別の大学病院で陰嚢水腫の手術(全身麻酔、2泊3日)をしたばかりというのと、これで子供の全身麻酔での手術が5回目という経験値のお陰で、そんなに慌てずには済んだかも。何事も経験ですね(←ぜんぜん嬉しくないけど)

それで、予定された手術ですが、入院前日に次女が風邪で38.6℃の発熱。そのため2週間後、3月最後の水曜に延期になりました。
2017/4/2

鼠径ヘルニア手術記録 ②入院・手術編に続く

※これらの記事のトップに表示される日付はあえてブログ開始以前にしてあります。ライアーとは無関係の内容なので、新着記事として目立ってしまうのを避けました。

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