謡納会(うたいおさめかい)

永田です。
昨日は謡曲の会、「照門会」の謡納会に参加してきました。

照門会を主宰する宝生流謡曲職分の加賀山憲治先生には、私が高校で能楽研究部に入った時からお世話になっています。加賀山先生は能楽研究部を立ち上げた方であり、定年退職後も指導者として高校生にお稽古をつけて来られました。御年なんと満90歳。今でも毎日のようにご自宅で高校生や一般のお弟子さんのお稽古をなさっています。

私が高校卒業後も気にかけてくださって、たまたまご近所だったこともあり、今でも年に数度のお稽古と、夏冬の謡会(うたいかい)に呼んで頂いています。おかげで細々とながら謡曲を続けることができています。
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(宝生流の素謡扇:すうたいおうぎ。流派ごとに扇の絵柄が異なります。宝生流は五雲)

謡曲といっても何のことやらさっぱりという方のほうが多いと思いますが、オペラの台本のようなものです。能舞台で舞装束や面(おもて)をつけた演者が、能管(笛)、小鼓、大鼓、太鼓というお囃子(おはやし)と、地謡(じうたい:コーラス)をバックに演じるのが、能楽。謡曲というのは、舞装束やお囃子なしで、謡だけで演じます。

謡曲は、本来は口伝なのでしょうが、実際には楽譜にあたる「謡本(うたいぼん)」を見ながらお稽古します。これが中々難しくて…ざっくり説明すると、ゴマみたいな記号が音の高低や長さなどを表しているのですが、同じ記号でもツヨ吟ならこう、ヨワ吟ならこう、しかし例外的にこの場合は…と、とにかくややこしい。私にはいつまで経っても分からないことだらけです。謡本を見た後に西洋音楽の歌の楽譜を見ると、なんて分かりやすいんだろうと思えます。
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(宝生流の謡本の字は流れるような書体で書かれているため、観世流の謡本より読むのが難しいと聞いたことがあります)

そんなに難しくて、ちっとも理解できないけれど、やっぱり私は謡曲が好きです。
とりわけ言葉の魅力。無駄を削ぎ落とした文章。掛詞や、韻の踏み方。さりげなく引用として差し込まれる、日本や中国の故事。文芸として、本当に見事に完成されていて、読む度に惚れぼれします。
物語も味わい深い。源氏物語に材を取ったものや、源平の合戦もの、生き別れの母子が再会する話など、昔も今も変わらない人間の情が細やかに描かれている。その一方で時代による価値観の違いも読みとることができて奥が深い。

昨日の謡会は、加賀山先生のお宅で開催されました。参加者は十人、最高齢は90歳の加賀山先生で、主な年齢層は70代~80代。皆さんお元気です。とりわけ加賀山先生の声量には圧倒されます。私が高校生の頃と変わりなくて、本当にすごい。
午後1時から4時過ぎまで、下記の五曲をそれぞれ全曲通しました。
『鶴亀 つるかめ』『清経 きよつね』『半蔀 はしとみ』『鉢木 はちき』『猩々 しょうじょう』

以上、謡曲同好会「木洩会」ブログでした~!

…って毎度のパターンですね(`∇´ゞ

はい、もちろん竪琴もご披露してきました♪
加賀山先生は音楽が大好きで、唱歌も大好きです。なので、卒寿記念の唱歌集を手作りしました。謡納会の後にサプライズプレゼントとして皆さんに配り、皆で唱歌やクリスマスソングを歌いました。
その際に竪琴で『きよしこの夜』『浜辺の歌』を弾かせてもらったら、皆さんも唱和してくれて嬉しかったです。加賀山先生には私が竪琴を始めたことをお話してなかったので驚かれましたが、先生はこういうことが大好きな方なので喜んで下さいました。

『知床旅情』『琵琶湖周航の歌』等には、ヴァイオリンの伴奏が入りました。弾き手は私と同世代の良子さん。良子さんは私が学生の頃に照門会に入門されて、年が近いことから自然に親しくなりました。
ちなみに全くの偶然ですが、良子さんは安達さんのゼミの後輩で…それがわかった時、世間って狭いなあとびっくりしました。
歌集




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